念願の保護猫を家族に迎え、希望に満ち溢れていたはずなのに、現実は想像と少し違うかもしれません。
「ケージの隅で固まって出てこない」
「威嚇されてしまった」
など、思い描いていた理想とのギャップに戸惑い、「こんなはずじゃなかった」と感じていませんか。その気持ちは、決してあなただけが抱えるものではありません。
実は海外では、新しいペットを迎えた後に多くの飼い主が経験するこの心の落ち込みを「ペットを迎えた後の憂鬱(Post-Adoption Blues)」と呼びます。命を預かる責任の重さや、生活の変化へのプレッシャーから生じる、ごく自然な感情です。
まずは「不安になるのは当たり前」と自分自身を認めてあげましょう。その上で、猫のペースを理解することが、憂鬱な気持ちを乗り越える第一歩と言えます。
保護猫の気持ちを解説!お迎え初日に隠れる・食べない本当の理由

期待と少しの不安を胸に迎えた保護猫との初日。しかし、想像とは裏腹に猫が隠れて出てこなかったり、ご飯に口をつけなかったりすると、心配になってしまいます。その行動には、猫ならではの深い理由が隠されています。
ここでは、お迎え初日に見られる猫の行動の裏にある心理を、科学的な視点も交えて解説します。
- 猫にとって新しい家は「未知の脅威」に満ちた場所
- ストレスホルモン「コルチゾール」が猫の行動に与える科学的影響
- 見逃し厳禁!イラストで分かる保護猫のストレスサイン【ボディランゲージ】
猫の気持ちを理解することが、信頼関係を築くための最初の大きな一歩となるでしょう。
猫にとって新しい家は「未知の脅威」に満ちた場所
猫は非常に繊細で、縄張り意識の強い動物です。彼らにとって住み慣れた場所を離れ、新しい家に来ることは、人間が言葉の通じない未知の国へ一人で降り立つようなもの。見慣れない景色、聞き慣れない音、嗅いだことのない匂い、そのすべてが「脅威」として認識されます。
特に保護猫の場合、シェルターに来るまでに過酷な環境を経験している子も少なくありません。人間に対する不信感や過去のトラウマを抱えていることもあります。そのため、彼らが最初に求めるのは刺激的な遊びや美味しいご飯ではなく、「絶対に安全だと確信できる隠れ場所」なのです。
隅っこや家具の裏に隠れるのは、身を守るための本能的な行動にほかなりません。まずはその本能を尊重し、彼らが安心できる空間を確保してあげることが何よりも重要です。
ストレスホルモン「コルチゾール」が猫の行動に与える科学的影響
猫が強いストレスを感じると、体内で「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されます。これは、人間が緊張状態になるときに分泌されるものと同じです。環境の急激な変化は、猫のコルチゾール値を上昇させる大きな要因となります。
コルチゾールは、猫の体に様々な影響を与えます。例えば、食欲を減退させたり、消化器系の働きを鈍くさせたりします。お迎え初日にご飯を食べないのは、このホルモンの影響が大きく関係している可能性が高いでしょう。また、免疫機能の低下を引き起こすこともあります。
オランダの研究では、猫に隠れ場所を提供することが、ストレス指標となるコルチゾール値を大幅に低下させることが科学的に証明されました。つまり、猫が隠れる行為は、自らストレスを軽減しようとするための、非常に合理的で賢い行動と言えるのです。
保護猫のストレスサイン【ボディランゲージ】
猫は言葉を話せませんが、体全体を使って気持ちを表現しています。特にストレスを感じているときは、特有のサイン(ボディランゲージ)を示します。これらのサインを見逃さず、猫の気持ちを汲み取ってあげましょう。
- 耳: 横や後ろに倒れている「イカ耳」の状態は、警戒や恐怖のサインです。
- 瞳孔: 明るい場所でも瞳孔が大きく開いている場合、強い不安や興奮を感じています。
- ひげ: 後ろ向きにぴたりと頬についているのは、緊張の表れ。
- しっぽ: 体に巻き付けたり、小刻みにパタパタと振ったりするのは、不快感や葛藤のサインです。
- 体勢: 体を低くしてうずくまる、いわゆる「香箱座り」を崩したような姿勢は、すぐに逃げ出せるよう警戒している証拠。
- その他: 口を開けてハッハッと呼吸する、過剰な毛づくろいをする、体を震わせるなどの行動も、強いストレスを示している場合があります。
これらのサインが見られたら、「今はそっとしておいてほしい」という猫からのメッセージです。距離を保ち、静かに見守る姿勢を徹底しましょう。
焦りをなくす魔法の言葉|保護猫との関係づくりは「3-3-3の法則」で考えよう
「早く仲良くなりたい」という焦りは、時として猫へのプレッシャーとなり、逆効果になってしまうことがあります。そんな飼い主さんの心を軽くしてくれるのが、海外の保護動物団体で広く知られている「3-3-3の法則」です。
この法則は、猫が新しい環境に慣れるまでの期間を現実的な視点で捉えるための指針を与えてくれます。
- 保護猫が慣れるまでの3ステップ「3-3-3の法則」とは?
- なぜ「何もしない」が重要?シェルターのストレスを癒す「減圧期間」
- お迎え初日のゴール設定|目指すは「ここは安全かも」と思ってもらうこと
焦りを手放し、長い目で猫との関係づくりを考えていきましょう。
保護猫が慣れるまでの3ステップ「3-3-3の法則」とは?
「3-3-3の法則」とは、保護動物が新しい家に適応するまでの期間を「最初の3日間」「次の3週間」「そして3ヶ月」という3つのステップで考えるフレームワークです。この法則を知ることで、飼い主は過度な期待をせず、現実的な心構えで猫と向き合えます。
- 最初の3日間 (The First 3 Days): 猫は恐怖と戸惑いでいっぱいです。隠れる、食べない、威嚇するといった行動はごく自然な反応。この期間は猫の存在に慣れてもらうだけで十分です。
- 次の3週間 (The Next 3 Weeks): 少しずつ新しい環境に慣れ始め、生活のリズムを学びます。隠れ場所から出てくる時間が増え、本来の性格の片鱗を見せ始めるかもしれません。
- そして3ヶ月 (The Following 3 Months): 猫はこの家が自分の縄張りであり、あなたが信頼できる存在だと認識し始めます。本当の意味での絆が築かれ、家族の一員としてリラックスして過ごせるようになる時期です。
この法則はあくまで目安ですが、「猫が慣れるには時間が必要」という事実を心に留めておくだけで、気持ちに大きな余裕が生まれるでしょう。
なぜ「何もしない」が重要?シェルターのストレスを癒す「減圧期間」
お迎え後の数日から数週間は、猫にとって「減圧期間(Decompression Period)」と呼ばれる非常に重要な時間です。これは、多くの猫や犬で賑わうシェルターで常に感じていたストレスから解放され、心身を回復させるためのクールダウン期間を指します。
シェルターは安全な場所ですが、他の動物の鳴き声や匂い、人の出入りなど、猫にとっては常に感覚が刺激される環境でした。その緊張状態から解放され、静かな環境で過ごす「何もしない」時間は、猫が新しい生活を始めるための土台作りになります。
この期間に飼い主が構いすぎると、猫は休まる暇がありません。猫が自ら心を開く準備が整うまで、私たちはただ静かに環境を提供する役に徹するべきなのです。
お迎え初日のゴール設定|目指すは「ここは安全かも」と思ってもらうこと
お迎え初日に「抱っこをさせてくれた」「ゴロゴロ喉を鳴らしてくれた」という高い目標を立てる必要は全くありません。初日のゴールは、たった一つです。それは、猫に「この場所は、もしかしたら安全かもしれない」とほんの少しでも感じてもらうこと。
そのために飼い主ができることは、猫のテリトリーに踏み込まず、脅威にならない存在でいることです。猫が隠れている場所から、あなたが無害な存在であることを静かに観察させてあげましょう。
ご飯が少しでも減っていたり、トイレを使った形跡があったりすれば、それは猫がほんの少し心を開き始めたサイン。それだけで初日のミッションは100点満点の大成功だと言えます。
保護猫お迎え初日の完璧な過ごし方|到着から夜までのタイムライン別ガイド
猫の気持ちと心構えが理解できたら、次はいよいよ具体的な初日の過ごし方です。ここでは、猫が家に到着してから夜眠るまでの一連の流れを、時間軸に沿って解説します。
完璧な過ごし方とは、特別なことをするのではなく、いかに「何もしない」を徹底できるかです。
- 【到着〜1時間】静寂の儀式!キャリーケースの扉を開けて静かに見守る
- 【日中の過ごし方】飼い主は気配を消す!ご飯とトイレの最適な設置場所
- 【初日の夜】夜鳴きはどうする?猫も飼い主も安心できる環境づくりのコツ
このガイドに沿って行動することで、猫へのストレスを最小限に抑えられます。
【到着〜1時間】静寂の儀式!キャリーケースの扉を開けて静かに見守る
家に到着したら、まずは準備しておいた一部屋にキャリーケースごと静かに置きましょう。そして、キャリーケースの扉を開けてあげてください。ここからが最も重要な「静寂の儀式」の始まりです。
絶対にやってはいけないのは、キャリーケースを揺すったり、無理やり猫を引きずり出したりすること。猫が自分のタイミングで、自分の意志で外に出るのをひたすら待ちます。数分で出てくる子もいれば、1時間以上かかる子もいるでしょう。
飼い主は、部屋の隅で静かに本を読むか、スマートフォンを操作するなどして、猫にプレッシャーを与えないように過ごしてください。猫はあなたの様子を観察し、安全かどうかを判断しています。
【日中の過ごし方】飼い主は気配を消す!ご飯とトイレの最適な設置場所
猫が無事にキャリーケースから出て、部屋のどこかに隠れ場所を見つけたら、飼い主はそっと部屋を退出します。日中は、できるだけその部屋には入らず、猫だけの時間と空間を確保してあげることが理想です。
ご飯と水の器、そしてトイレの設置場所には少し工夫が必要です。猫が安心できる隠れ場所からあまり遠くない位置に置きましょう。ただし、ご飯とトイレは必ず離してください。猫は食事場所と排泄場所が近いことを嫌うきれい好きな動物だからです。
飼い主は別の部屋で普段通りに生活し、物音を立てすぎないように配慮します。猫の様子が気になっても、ドアの隙間から覗き見るようなことはせず、猫の気配を信じて待ちましょう。
【初日の夜】夜鳴きはどうする?猫も飼い主も安心できる環境づくりのコツ
初日の夜、環境の変化や寂しさから「ニャーニャー」と鳴き続ける「夜鳴き」をする子がいます。飼い主としては心配で駆けつけたくなりますが、ここで構ってしまうと「鳴けば来てくれる」と学習してしまい、夜鳴きが習慣化する可能性があります。
基本的には、心を鬼にして無視を貫くのが最善策です。ただし、あまりに鳴き声が悲痛な場合は、ドアの外から「大丈夫だよ」と優しく声をかけてあげるのも一つの方法。あくまで部屋には入らず、声だけで安心感を与えます。
猫が安心して眠れるよう、部屋は常夜灯などをつけて真っ暗にしすぎないようにしましょう。飼い主が使っていた匂いのついたタオルや毛布を寝床の近くに置いてあげるのも、不安を和らげるのに効果的です。
信頼関係を壊す前に!保護猫お迎え初日に絶対やってはいけないNG行動リスト
猫との良い関係を築くためには、何かを「する」ことよりも、何かを「しない」ことの方がはるかに重要です。良かれと思ってした行動が、猫にとっては大きな恐怖となり、その後の信頼関係にひびを入れてしまうことも少なくありません。
ここでは、初日に絶対やってはいけないNG行動を、猫への直接的な行動と環境づくりの2つの側面からチェックリスト形式でまとめました。
- 触る・見つめるはNG!猫に直接してはいけない行動チェックリスト
- 大きな音や来客はNG!環境づくりに関する行動チェックリスト
このリストを心に刻み、猫に不要なストレスを与えないよう細心の注意を払いましょう。
触る・見つめるはNG!猫に直接してはいけない行動チェックリスト
猫自身に向けられる行動は、特に警戒心を煽りやすいものです。以下の行動は、猫が自分から近づいてくるまで絶対に避けましょう。
- □ 無理に触る、抱っこする: 猫にとって拘束されることは最大の恐怖です。
- □ 追いかける: 隠れている猫を追いかけ回すのは、捕食者が獲物を追い詰める行為と同じです。
- □ 長時間じっと見つめる: 猫の世界では、目をそらさず見つめ続けることは「敵意」のサインと解釈されます。
- □ 名前を大声で何度も呼ぶ: 不安な猫にとって、大きな声は脅威でしかありません。
- □ おもちゃで無理に誘う: 遊びたい気分ではないときにしつこくされるのは、大きなストレスになります。
これらの行動は、猫に「この人間は危険だ」と刷り込んでしまうリスクがあります。
大きな音や来客はNG!環境づくりに関する行動チェックリスト
猫は人間よりもはるかに優れた聴覚と嗅覚を持っています。そのため、私たちにとっては些細な環境の変化も、猫には大きな刺激となってしまいます。
- □ 大きな音を立てる: テレビの音量、ドアの開閉音、掃除機の音などには最大限配慮しましょう。
- □ 家族や友人を呼ぶ: 新しい環境と飼い主に慣れるのが最優先です。来客は猫が完全に慣れてからにしてください。
- □ 香りの強いものを使う: 香水、芳香剤、アロマオイルなどは猫にとって刺激が強すぎます。
- □ 頻繁に部屋を覗きに行く: 猫が「監視されている」と感じ、安心できる場所がなくなってしまいます。
- □ 他のペット(特に先住猫)と対面させる: 初日の対面は絶対NGです。縄張り争いの原因になります。
静かで穏やかな環境を維持することが、猫の心の安定に直結します。
保護猫お迎え初日の「困った!」を解決!ケース別お悩みQ&A
どんなに準備をしても、お迎え初日には予期せぬ「困った!」が起こるものです。しかし、多くの「困った!」は猫の正常な反応であり、正しい知識があれば冷静に対処できます。
ここでは、先輩里親たちが経験してきた代表的な5つのケースについて、その原因と解決策をQ&A形式で詳しく解説します。
- CASE1「隠れて全く出てこない」は心配無用!むしろ大正解です
- CASE2「ご飯を食べない・水を飲まない」は24時間以内の様子見でOK
- CASE3「シャー!と威嚇してくる」ときは敵意がないことを伝える「ゆっくりな瞬き」
- CASE4「トイレをしない・粗相する」は叱るの厳禁!正しい掃除法とは
- CASE5【緊急】すぐに動物病院へ!見過ごしてはいけない体調不良のサイン
あなたの悩みが、この中に見つかるかもしれません。
CASE1「隠れて全く出てこない」は心配無用!むしろ大正解です
Q. ベッドの下から一歩も出てきません。このままで大丈夫でしょうか?
A. 全く問題ありません。むしろ、猫としては100点満点の行動です。
猫は、新しい場所に来たらまず「安全地帯」を探すのが本能です。暗くて狭いベッドの下は、外敵から身を守るのに最適な場所。そこに隠れているということは、猫が自分の身を守る術をきちんと心得ている賢い子だという証拠です。
無理に引きずり出したり、覗き込んだりせず、猫が自分から出てくるまでそっとしておきましょう。隠れ場所の近くにご飯と水を置いておけば、あなたが寝静まった後などにこっそり出てきて活動しているはずです。
CASE2「ご飯を食べない・水を飲まない」は24時間以内の様子見でOK
Q. 用意したご飯に全く口をつけてくれません。お腹を空かせていないか心配です。
A. 健康な成猫であれば、24時間程度食べなくても大きな問題はありません。
前述の通り、強いストレスは猫の食欲を減退させます。環境に慣れて安心するまでは、食べることよりも安全確保を優先するのは自然なことです。ウェットフードや猫用おやつなど、匂いが強くて嗜好性の高いものを少しだけ置いておくと、食欲を刺激するきっかけになる場合があります。
ただし、水も全く飲んでいない場合は脱水が心配です。24時間以上、飲食の形跡が全く見られない場合や、子猫・老猫、持病のある猫の場合は、譲渡元や動物病院に一度相談することをおすすめします。
CASE3「シャー!と威嚇してくる」ときは敵意がないことを伝える「ゆっくりな瞬き」
Q. 目が合うと「シャー!」と威嚇されてしまいます。嫌われてしまったのでしょうか?
A. 嫌われているわけではありません。それは「怖いからあっちへ行って」という恐怖のサインです。
猫が威嚇するのは、攻撃したいからではなく、自分を守りたいからです。「これ以上近づくと、僕(私)も何をするかわからないよ」と、虚勢を張って相手を遠ざけようとしています。
もし目が合ってしまったら、敵意がないことを伝えるために「ゆっくりな瞬き」を試してみましょう。これは猫の世界で「信頼」や「愛情」を示す挨拶のようなものです。ゆっくりと目を閉じ、数秒間閉じたままにしてから、またゆっくりと開きます。そして、すっと視線をそらしてあげてください。「あなたに敵意はないよ」というメッセージが伝わるはずです。
CASE4「トイレをしない・粗相する」は叱るの厳禁!正しい掃除法とは
Q. トイレを我慢しているのか、全くしません。粗相をしたらどうしよう…。
A. 緊張で排泄を我慢することはよくあります。粗相をしても絶対に叱らないでください。
トイレをしないのも、ストレスによる自然な反応の一つです。また、万が一トイレ以外の場所で粗相をしてしまっても、それは猫が悪いわけではありません。新しい環境でトイレの場所がわからなかったり、安心できる場所だと勘違いしたりしただけです。
粗相を叱ると、猫は「排泄すること自体が悪いこと」と誤解し、隠れてするようになったり、病気の原因になったりします。粗相を見つけたら、黙ってきれいに片付けましょう。その際、匂いが残っていると同じ場所で繰り返すため、ペット用の酵素系消臭クリーナーなどを使って匂いを完全に消し去ることが重要です。
CASE5【緊急】すぐに動物病院へ!見過ごしてはいけない体調不良のサイン
Q. 様子がおかしい気がします。どこからが危険なサインですか?
A. これまでのケースとは異なり、以下のサインが見られる場合は、様子見をせず、すぐに動物病院に連絡してください。
猫は体調不良を隠す習性があるため、飼い主が気づいたときには症状が進行していることもあります。
- ぐったりして動かない、呼びかけに反応しない
- 呼吸が明らかに速い、苦しそうにしている
- 嘔吐や下痢を繰り返している
- 体を触ると極端に嫌がる、痛がるそぶりを見せる
- おしっこが出ない、または何度もトイレに行くが出る量が少ない(特にオス猫)
これらの症状は、緊急を要する病気の可能性があります。お迎えしたばかりでかかりつけ医がいない場合は、譲渡元の団体に連絡し、提携している病院などを紹介してもらいましょう。
【家庭環境別】保護猫お迎え初日にプラスαで注意すべきこと
すべての家庭が同じ環境とは限りません。特に、すでに他のペットがいるご家庭や、小さなお子さんがいるご家庭では、お迎え初日に特別な配慮が必要です。
ここでは、それぞれの家庭環境に合わせたプラスαの注意点について解説します。
- 先住猫がいる場合|初日の対面は絶対NG!「完全隔離」と「匂いの交換」から
- 小さな子供がいる場合|興奮させない!猫と子供のための「お約束ごとリスト」を作ろう
これらのポイントを押さえることで、家族全員がスムーズに新しいメンバーを迎え入れられるでしょう。
先住猫がいる場合|初日の対面は絶対NG!「完全隔離」と「匂いの交換」から
先住猫がいる場合、最も重要なのは「焦って対面させない」ことです。初日の対面は、先住猫の縄張り意識を過剰に刺激し、深刻なトラブルに発展する可能性が極めて高いでしょう。
まずは、新入り猫を一部屋に「完全隔離」します。ドアの下などからお互いの姿が見えないようにすることも重要です。この隔離期間は、最低でも1週間は設けるようにしてください。
隔離している間に行うのが「匂いの交換」です。それぞれの猫が使っている毛布やタオルを交換して匂いを嗅がせ、お互いの存在を間接的に知らせます。これにより、実際に対面する際のショックを和らげることができます。対面は、お互いが匂いに慣れて威嚇しなくなってから、ケージ越しに少しずつ始めましょう。
小さな子供がいる場合|興奮させない!猫と子供のための「お約束ごとリスト」を作ろう
小さなお子さんにとって、新しい猫は可愛いおもちゃのように見えてしまうかもしれません。しかし、猫にとって子供の甲高い声や予測不能な動きは、大きな恐怖の対象です。
お迎えする前に、お子さんと一緒に猫と仲良くするための「お約束ごとリスト」を作ることをおすすめします。
- 猫さんが隠れているときは、そっとしておこうね。
- 大きな声を出したり、お家の中で走ったりしないよ。
- 猫さんを追いかけない、無理やり触らない。
- 猫さんが自分から近づいてきたら、ママやパパと一緒になでてみようね。
このように、子供にも理解できる言葉でルールを決め、なぜそれが必要なのかを丁寧に説明してあげてください。猫と子供、双方の安全を守ることが最優先です。
あなたは一人じゃない!先輩里親たちのリアルな保護猫お迎え初日体験談
保護猫のお迎え初日に不安や戸惑いを感じるのは、あなただけではありません。多くの先輩里親たちが、同じように悩み、試行錯誤しながら愛猫との関係を築いてきました。
ここでは、実際にあった体験談を「失敗談」と「成功体験」に分けてご紹介します。
- 【失敗談】良かれと思って構いすぎ…信頼を取り戻すまでの道のり
- 【成功体験】3日間姿を見せなかった子が…!小さな進歩が大きな感動に
- 【Q&Aより】「ケージに布をかけたらパニックに」経験者からのアドバイス
これらのリアルな声が、あなたの心を少しでも軽くするヒントになるはずです。
【失敗談】良かれと思って構いすぎ…信頼を取り戻すまでの道のり
「初めて迎えた保護猫のことが可愛くてたまらず、初日からたくさん話しかけ、高級なウェットフードを手からあげようとしました。しかし、猫はケージの隅で固まるばかり。しまいには『シャー!』と激しく威嚇され、完全に心を閉ざされてしまいました。後から、自分の行動がすべてNGだったと知り猛省。そこから1ヶ月間、存在を消すことに徹し、ゆっくり瞬きを続けることで、ようやく指先の匂いを嗅いでくれるように。信頼を取り戻すのには、想像以上の時間と忍耐が必要でした。」(30代・女性)
この体験談は、飼い主の「良かれ」が猫にとっては「恐怖」でしかないことを教えてくれます。焦りは禁物です。
【成功体験】3日間姿を見せなかった子が…!小さな進歩が大きな感動に
「シェルターで最も臆病だと言われていた子を迎えました。案の定、最初の3日間はソファの下から全く出てこず、生きているか不安になるほど。ただ、夜中にご飯とトイレが使われた形跡だけを頼りに、ひたすら待ち続けました。4日目の夜、私が寝たふりをしていると、そーっと出てきて部屋を探索し始めたのです。その小さな一歩が涙が出るほど嬉しくて。今ではすっかり甘えん坊ですが、あの感動は一生忘れられません。」(40代・男性)
このエピソードは、「待つこと」の重要性とその先にある喜びを示しています。猫のペースを信じることが、何よりの近道かもしれません。
【Q&Aより】「ケージに布をかけたらパニックに」経験者からのアドバイス
Q&Aサイトには、こんな投稿がありました。「猫を落ち着かせようとケージに布をかけたら、中で暴れてパニック状態になってしまいました。どうしてでしょうか?」
これに対し、経験者からは「布で視界を遮られることで、逆に危険を察知できなくなり不安が増大したのかも」「うちの子は暗くて狭い場所が好きなので布は有効でした。猫の性格によりますね」といった多様なアドバイスが寄せられていました。
この事例からわかるのは、すべての猫に共通する絶対の正解はないということです。マニュアルを基本としつつも、目の前の猫の反応をよく観察し、その子に合った対応を柔軟に探っていく姿勢が大切になります。
保護猫との幸せな未来へ!お迎え初日を乗り越えた後の完全ステップ
困難に思えたお迎え初日も、必ず終わりが来ます。そして、その先には愛猫との穏やかで幸せな日々が待っています。この最終章では、初日を乗り越えた後、どのように関係を深めていけばよいかのステップを解説します。
未来への希望を胸に、次のステップへと進みましょう。
- 2日目以降のヒント|猫が心を開き始めたサインと正しい距離の縮め方
- 暮らしを豊かにする便利アイテム|フェロモン剤とペットカメラ活用術
- 【総まとめ】保護猫お迎え初日に最も大切な「猫のペース尊重」と「安全な環境」
- 不安なのはあなただけじゃない!いつでも専門家や譲渡元に相談しよう
ここからの道のりは、きっと喜びに満ちています。
2日目以降のヒント|猫が心を開き始めたサインと正しい距離の縮め方
初日を無事に乗り越え、猫が少しずつ環境に慣れてくると、心を開き始めたサインを見せてくれるようになります。
- 隠れ場所から出てきて、部屋を探索し始める
- 飼い主の目の前でご飯を食べたり、水を飲んだりする
- しっぽをピンと立てて近づいてくる(親愛の証)
- 体をすり寄せてくる、喉をゴロゴロ鳴らす
これらのサインが見られたら、少しだけ距離を縮めるチャンスです。まずは猫じゃらしのような長いおもちゃで、直接触れない距離から遊びに誘ってみましょう。指先の匂いを嗅がせてあげて、猫から顔をすり寄せてきたら、優しく顎の下や頬のあたりを撫でてあげてください。
暮らしを豊かにする便利アイテム|フェロモン剤とペットカメラ活用術
猫との暮らしをよりスムーズにするための便利アイテムも存在します。
一つは、「猫用フェロモン拡散器」です。これは、猫の頬から分泌される、猫を安心させる効果のあるフェロモン(フェイシャルフェロモン)を人工的に合成したもの。コンセントに差しておくだけで、猫がリラックスしやすい環境を作る手助けをしてくれます。
もう一つは、「ペットカメラ」です。留守中の様子を確認できるだけでなく、飼い主がいない間に猫がどんな行動をしているかを知る貴重な手がかりになります。あなたが寝ている間に、実は元気に部屋中を探検している姿が見られるかもしれません。
まとめ|保護猫お迎え初日に最も大切な「猫のペース尊重」と「安全な環境」
この記事を通して、保護猫のお迎え初日に最も大切なことは、特別なテクニックではなく、2つの基本姿勢にあることがお分かりいただけたかと思います。
一つは、何よりも「猫のペースを尊重する」こと。焦らず、急かさず、猫が自分から心を開いてくれるのを辛抱強く待ちましょう。
もう一つは、「猫にとって絶対的に安全な環境を提供する」こと。物理的な危険を取り除き、精神的なプレッシャーを与えない静かな空間を用意することが、信頼関係の土台となります。
お迎え初日の不安は、すべての里親が経験する道です。どうしても困ったとき、判断に迷ったときは、ためらわずに専門家や猫を譲渡してくれた団体・個人に相談しましょう。
彼らは、たくさんの猫と里親を見てきたプロフェッショナルです。あなたの状況に合わせた的確なアドバイスをくれるはず。あなたと愛猫の新しい生活を応援してくれるサポーターは、必ずあなたのそばにいます。






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